約 3,633,997 件
https://w.atwiki.jp/letsrebirth/pages/123.html
この偽の冬木にも、現実世界と同じように東から朝日が昇り、西へ夕日が沈む。 太陽が空を惜しむように沈もうとしていた頃、古風なアパートの一室からマッシュルームカットの男が出てきた。 「チャコ。少し、ドライブに行ってくる」 「わかった。ご飯作っておくから、7時までには帰ってね」 恋人のチャコに外出を告げ、男はポケットから愛車のキーを取り出して部屋を出る。 7時までどれくらいあるかを腕時計で確認しながら、コツコツと階段を降り、アパートの玄関の扉を開いた。 その男は自分を照らす夕日へ振り返り、眼鏡の奥で何かを懐かしむような遠い目をしていた。 「……夕焼けは人を振り返らせる」 かつて日本を20世紀へと戻すために活動していた男、イエスタデイ・ワンスモアのリーダー・ケンはそう呟く。 駐車場へ赴き、愛車のトヨタ2000GTに乗り込む。 エンジンを作動させてから、ケンは道路に愛車のタイヤを乗せ、走った。 ケンの耳には愛車のエンジン音が響くのに、夕日の照らす冬木を見ているとどことなく静かな心地よさを感じる。 胸に秘めている20世紀への郷愁がその姿を心に映し出すからだろうか。 ケンはふと思い立ち、運転しながら傍らにある8トラック・カートリッジ・テープを備え付けのカーステレオに挿入する。 そこから流れてきた音楽は、吉田拓郎の「今日までそして明日から」だった。 ◆ 私は今日まで生きてみました ときには誰かの力を借りて ときには誰かにしがみついて 私は今日まで生きてみました そしていま私は思っています 明日からもこうして生きていくんだろうと ◆ 懐かしいメロディと共に車内に流れる歌声。 この歌を聞いていると、20世紀に縋っていた自分も21世紀の今を生きていることが改めて実感できる。 ケンは夕日の下をトヨタ2000GTで駆りながら、偽の冬木に来る前のことを思い返す。 全国で開かれた20世紀博を利用したイエスタデイ・ワンスモアの計画はあと1歩で達成されるはずであった。 大人を虜にして洗脳してしまう「懐かしいにおい」を利用した、日本をありし20世紀の姿へと戻す計画。 その計画はある5歳児とその家族によって未然に防がれた。 あの時、ケンとチャコは21世紀の日本に絶望し、まだ人々が「心」を持っていた20世紀をやり直さなければならないと信じていた。 しかし、20世紀に憑りつかれた大人達は、満身創痍になりながらも未来を手に入れようとするその一家の姿を見たことで21世紀を生きたくなったのだ。 それにより、懐かしいにおいは効力を失い、ケンは負けを悟った。 『オレの人生はつまらなくなんかない!家族がいる幸せを、アンタ達にも分けてあげたいくらいだぜ……!』 懐かしいにおいを克服した一家の父がかつて自分に放った言葉だ。 彼は、過去の自分よりも家族と共に未来を生きることを選んだ。 『オラ、オトナになりたいから!!』 『オトナになって、おねいさんみたいなキレイなおねいさんといっぱいおつきあいしたいからっ!!!』 未来を手に入れるために、その5歳児はボロボロになってタワーを駆け上がってきた。 オトナになりたい…。そこには、子どもの21世紀を生きる意志があった。 「俺も…21世紀を生きたくなったのかもしれないな…チャコと共に」 ケンの理想に共感し、一緒にいてくれた女性・チャコ。 アパートで待ってくれているのはNPCのチャコだが、彼女の存在はケンにとってかけがえのない存在であった。 しばらく運転を続けていると、金色の点が群がっている場所が次第に見えてきた。 夕日の光を反射して輝いている海であった。 ケンはそれを見据えると、アクセルを踏む足に力を籠めてスピードを上げる。 だが、それを妨害するように助手席の方向からケンの左肩が女性のような華奢な手で叩かれる。 ケンは1人でドライブに出かけたはずだったが―― 「…なんだ。バーサーカー」 トヨタ2000GTの助手席に座っていたのはいつの間にやら実体化していたケンのサーヴァントであった。 ほとんど下着といっても過言ではない露出度の高い外見にコートを羽織ったショートカットの女性だ。 しかし、彼女の息は常に荒く、所々で呻き声を漏らしている。傍から見れば異様な雰囲気だ。 彼女の名はエクスイ。兵器の強化に長けるロボット「エレメントドール」の内の一体。 相棒のパイロットと共に月面の戦争で勝利したが、ある理由で発狂してその相棒を殺し、結果破棄された悲劇のエレメントドール。 バーサーカーといっても狂化のランクが低いためか、最低限の理性を維持しており、ケンとはそれなりに意思疎通ができる。 ケンの肩を叩いたのも、エクスイなりのケンへの呼びかけなのだ。 「…………未来……生きるなら…何……願うの…?」 バーサーカーは呻き声をなんとか言葉に変えてケンに問いかける。 恐らく、「やり直しを願っていたケンが未来を生きたくなったのなら、聖杯にどんな願いをかけるのか」と聞きたいのだろう。 話の前後を把握していればエクスイの真意は容易に読み取れた。 「…そうだな」 ケンは顎に右手を置き、考える素振りを見せる。 「他の奴らが、どんな思いを胸に生きているのかを確かめてみたい」 聖杯を奪い合う者たちは、少なからずとも願いを持っていることだろう。 かつての自分のようにやり直すか、あるいは欲望を満たすか、あるいは聖杯戦争からの離脱か。 ケン達を阻止した一家のように、彼らには歩んできた人生がある。 聖杯にかける願いも、彼らの生き様もその過程で生まれるものだ。 だからこそ、21世紀を生きると決めたケンは知りたくなった。今を生きる者達の「心」を。 「……思い……」 エクスイはケンの言葉を繰り返す。 頭の中では深く考えるも、狂化のせいで考えを纏めようとしてはそれが霧散してしまい、憤慨するかのように呻き声を強くする。 「着いたぞ」 そうこうしている内に、ケンの愛車は冬木の某所にある防波堤の近辺に来ていた。 ケンとエクスイは車を適当な場所に止めて、防波堤に登る。 そこから先はオレンジ色の海が広がっていた。 視界を横にずらすと、港から貨物船が出港して旅立つところが映る。 「…バーサーカー。さっき言った俺の願いのことだが」 ケンは首をエクスイの方に向ける。 地平線から吹く強い風が2人を揺らす。 エクスイはというと、小さな呻き声とともにただ前を凝視している。 「詰まる所、それの達成には他の参加者とのコンタクトが不可欠だ。それは場合によってはかなり危険な行為になるだろう」 ケンの眼鏡の奥に潜む目は真剣そのものだった。 「だから、少しでも助けになる力が必要だ。そのために力を貸してほしい…頼む」 「…………」 エクスイは何も言わず、まるで寝落ちしそうな様子で首を上下に振った。 首を縦に振ったのだから肯定の意を表したと見ていいだろう。…そう思っておこう。 ケンは再び海へ顔を向ける。 丁度、夕日が地平線に沈もうとしているところだった。 エクスイはケンの元に来てからも多くを語らない。 狂化しているせいもあるが、彼女は都合の悪いことに対しては――たまに彼女の気まぐれでも――返答しないらしい。 そのため、今もエクスイの詳しい願いはケンにも分かっていない。 ……ただ、かつてのケンと同じ願いを持っていたであろうことだけはなんとなく理解できた。 今にも沈みそうな夕日を見る彼女は、ケンの眼鏡にはどこか悲しげに映ったのだ。 ……夕焼けは人を振り返らせる。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 エクスイ@怒首領蜂大往生 【パラメータ】 筋力C 耐久D 敏捷D 魔力C 幸運E 宝具A+ 【属性】 混沌・善 【クラス別スキル】 狂化:D 筋力と魔力が上昇するが、言語能力が不自由になり、複雑な思考が難しくなる。 【保有スキル】 エンチャント:EX 物品を強化する能力。 バーサーカーは兵器を強化するエレメントドールである性質から、 武装・艤装などの人工兵器の強化に特化しており、それ以外の物品は強化できない。 このスキルの効果は単なる武器だけでなく、人工兵器に属する他サーヴァントの宝具にまで及び、 基本性能の向上と機能の拡張が容易にできる。 宝具を強化した場合、その宝具のランクが1ランク上昇する。 心眼(真):E- エレメントドールとしてパイロットと共に戦場を潜り抜けた経験によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 狂化により、ランクが著しく低下している。 変形:-(B) トランスフォーム能力。自らのカタチを変えるスキル。 『大往生したなどと誰が決めたのか』発動後に使用可能。 エレメントドーターとなったことにより、人型の他、巨大な水上戦艦や戦闘機へ変形することができ、 形態を変えて戦闘することができる。 巨大兵器に変形している間はその巨体に見合う分の魔力が必要になるので魔力の燃費が悪い。 なお、人型の場合でも射撃攻撃で応戦できる。サイズの違いから火力は低くなる分、他の形態より魔力消費が軽い。 【宝具】 『大往生したなどと誰が決めたのか(エレメントドーター・ネクスィ)』 ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~200 最大捕捉:1000人 バーサーカーが消滅した際に自動で発動する宝具。 一度はパイロットを殺害したことで破棄され、大往生したエクスイが、 エレメントドールから巨大ロボット「エレメントドーター」へと進化して大復活を遂げたエピソードの具現。 消滅した後に、バーサーカーの姿を模した「エレメントドーター」として一度だけ復活する。 外見は発動前とあまり変わらないが、上半身と下半身が分離した外見が特徴的。 復活した際、変形スキルが使用可能になり、武装が追加され広範囲を攻撃できるようになる。 パラメータは以下のように変化する。 筋力B 耐久C 敏捷B 魔力B 幸運E 本来、エレメントドーターは高層ビル並に巨大なのだが、英霊という枠に当てはめた為に人間並のサイズでしか顕現できない。 だが、それは人型の場合のみで、巨大兵器に変形した際はその限りではない。 【weapon】 『変形』での各形態に搭載された武装 『大往生したなどと誰が決めたのか』発動後、エレメントドーターになることで追加される。 搭載された武装によって射撃を展開する、圧倒的な弾幕攻撃が脅威。 【人物背景】 弾幕STGゲーム「怒首領蜂大往生」に登場する、戦闘機の専用ナビゲータであり、知性や感情を持つ兵器強化用人型ロボット「エレメントドール」。 主人公(パイロット)のパートナーとして選択できるエレメントドールのうちの一体。 露出度が非常に高い服装に灰色のコートを羽織っている。 数世代前の旧式エレメントドールで、パイロットの安全性よりも機能及び武装面を重視して作られた。 そのため、搭乗するパイロットに対しての配慮に欠ける面が多いが、上級パイロットには大変好まれていた。 地球を侵攻しようとしている月の機械兵団との最終決戦にて、 エクスイはマザーコンピューターに飛び込みコンピューター内に負荷をかけ、敵の演算能力を落とすことでパイロットと共に勝利をつかんだ。 しかしマザーコンピューター内で月の兵器が動き出した真実を知り発狂、パイロットを殺害する。 人間に手をかけたことでエクスイは破棄されてしまうが、 その時にエクスイが流した血の涙は、「本当の敵は人間だったのだ」という彼女の悲しみを伝えるものであった。 その6年後、続編「怒首領蜂大復活」においては巨大兵器への変形能力を持つ巨大少女ロボット「エレメントドーター」として登場。 同作で起きた事件の張本人で、他のエレメントドーターも彼女を主人として従っている。 ちなみに本作では『ネクスィ』という名義で登場しているが正式名称は『ネクストエクスイ』。 最終ボスではなく2面ボスとなり主人公を襲う。 「やり直さなければ」という思いの元、未来の争いの元を断つために過去にもどり、 切欠を無くして争いのない歴史へと書き換えようと試みる。 使命の為に追跡者は許さない厳しい態度をとるが、仲間や自然には優しい。 【サーヴァントとしての願い】 不明。 【基本戦術、方針、運用法】 初期状態ではバーサーカーの癖にパラメータが平均より低く、これといった武器もないのでエンチャントによるサポートしか期待できない。 この状態では狂化と固有能力が全く噛み合っていないといえるだろう。 一方で『大往生したなどと誰が決めたのか』が発動すると武装と変形スキルが使用可能になり、自力で戦闘ができ大分マシになる。 【マスター】 ケン@クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 【マスターとしての願い】 他の参加者がどんな思いを胸に生きているのかを確かめてみたい。 【weapon】 トヨタ2000GT ケン曰く、「俺の魂」。 20世紀を代表する名車。移動手段に使える。 【能力・技能】 特になし。 「におい」を使った洗脳は20世紀博の施設がないためできない。 【人物背景】 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲に登場する。 秘密結社「イエスタディ・ワンスモア」のリーダー。恋人兼協力者兼同居人にチャコという女性がいる。 「懐かしいにおい」を利用して大人達を子供に戻し、ひろしやみさえを連れ去った張本人。 本編では「汚い金」や「燃えないゴミ」ばかりがあふれる21世紀の日本を憂いており、まだ人々が「心」を持って生きていた20世紀への逆戻り及びやり直しを企てる。 大人達の懐古心を原動力とした計画の最終段階において、大人達はタワーでの野原一家の奮闘をテレビを通して視聴したことで懐古心が収まり、21世紀を生きたいと思うようになる。 そして、計画を進めることができなくなり「未来を返す」と敗北を認めた後、大人達を解放する。 解放後、タワーの大展望台の屋上からチャコと共に飛び降り自殺を図ったが、 しんのすけの叫びと偶然足元に位置していた巣を守ろうとした鳩の抵抗で機を逸してしまう。 そしてチャコを労わりつつ何処かへ去っていった。 【方針】 他の参加者と会って、話を聞きたい。
https://w.atwiki.jp/yggdrasillwar/pages/45.html
天羽奏&バーサーカー ◆7CTbqJqxkE 魔術都市ユグドラシル。 ムーンセルが此度の聖杯戦争の舞台として作りあげた架空都市。 生活の基盤を科学に代わって魔術が支えるその都市で、怪事件が起こった。 一般住宅街、特級住宅街、学術地区の三つの地域を掠める程度の小規模なものであるが、停電が発生したのだ。 ユグドラシルのインフラの比重は魔術による産物が多く、電線は存在せず魔力の伝達によって家々に灯りを点す。 そのためユグドラシルから滾々と湧き出す魔力が尽きない限りは停電などあり得ない。 そして、被害は停電だけではなかった。 停電が発生した時間に該当地域にいた住民全員になんらかの健康被害が起きていた。 その症状は軽度の者は立ち眩みから、重度の者は意識不明まで。 被害者を検査したところ、体内の魔力の瞬間的な消失が全員から確認された。 ここで問題となったのが、消失という点である。 警察は当初、魔力の伝達先を誰かが操作し、停電発生前に確認されたという魔力砲の実験に用いられたと考えていた。 しかし調べてみると魔力経路を弄った痕跡はなく、住民同様に該当地域内で経路が消失していることがわかった。 平時からやる気のない警察は、多少の調査と見回りの増員程度で今回の事件を終わらせることにした。 魔術師という人種が多く存在するこの都市で、怪奇な事件など毎日のように発生している。 ユグドラシルの警察に、たかだか停電の一つや二つに頓着するような者は存在しない。 しかし――――もしこの事件の話を専門家が耳にしていれば、顔色を青白く変えることになっていただろう。 魔力を消滅させるナニカ。生活を魔術によって支えられているこの都市において、そのチカラは間違いなく災厄を齎す。 都市機能がすべて麻痺する程度ならばまだマシな方だ。もしもそれが恵みの源である世界樹に向けられたとき――――この都市(せかい)は死ぬこととなる。 ユグドラシルの小さな地域を襲った謎のチカラ。 それは紛うことなき『世界を殺す猛毒』である。 ● 「聖杯戦争、か……」 曇りなき青い空を見上げながら、少女は独り言ちた。 神話や伝説、歴史上の英雄偉人その他もろもろのデータを再現した存在、サーヴァント。 そのサーヴァントを使役し、他のサーヴァントすべてを退け聖杯を手にするための戦い。 それが聖杯戦争。過去の魔術師たちが行ったという万能の釜の争奪戦。 どのような意図があるかは不明だが、ムーンセルはそれを再現し、そして少女――天羽奏をマスターの一人としてこの地へと招き入れていた。 「死人の願いまで叶えてくれるたぁ、お月様も随分と優しいんだな」 しかし月に招かれた少女は、既にその生を終えていた。 彼女はある聖遺物の起動実験の最中に突如出現したノイズからひとりの少女を救うために命を燃やし、歌った。 世界から消えたはずの彼女は、どういうことかユグドラシルの上で再びその意識を覚醒させたのである。 「なあ、お前はなにか叶えたいことってあるか?」 「……………………」 少女は隣に立っている少年へと語りかける。自身の使い魔(サーヴァント)である少年へ。 月に招かれた者がマスターとして本来の記憶を取り戻した時に月より授けられる、マスターを護る最強の矛にして盾――――サーヴァント。 姿こそ少女よりも年下の少年であるが、それが彼の正体であった。 「……やっぱ答えられないか」 「……………………」 少女の問いかけに、少年は口を開くことはなかった。 別に意地悪で口を閉ざしているとか、少女のことが嫌いで沈黙を貫いているわけではなく、そもそも少年は問いかけに答えることができないのだ。 少年の赤い目には狂気のみが渦巻いており、そこに理性は一欠片たりとも見ることはできない。 少年はバーサーカーのサーヴァント。 目の前にあるすべてを壊し、障害が無くなるまで止まることのない理性無き怪物のクラス。 故に少年が少女の問に答えることは不可能であり、そのことは彼女も理解していた。 「まったく……、こちとら訳がわからないまま連れてこられたっていうのに、頼れる相手がこんなんじゃどうしたらいいのかもわからねえ」 「……………………」 「いっそ本当に聖杯を手に入れてみるか?」 「……………………」 冗談めかしながら奏はバーサーカーに聖杯を手にするかどうか提案してみるが、実のところ奏自身乗気ではなかった。 といっても、願いがないわけではない。そうでなければ聖杯に招かれ参加者となることなど、そうはない。 奏にも、確かな願いはあった。 例えばすべてのノイズの駆逐。 場所、時間を問わず突如出現し、人間のみを襲って炭素の塊に変えてしまう特異災害――ノイズを世界から消滅させる。そうすれば自分と同じ経験をする者もいなくなる。 例えば自分自身の蘇生。 落命した身であるが、聖杯が本当になんでも叶えられるならば蘇ることだってできる。そしたら、またあの泣き虫で弱虫な相棒と共に一対の翼となって、歌うことができる。 若くして亡くなった奏に願いがない、なんてことがあるわけがない。 彼女にはこれから先にもすべき事、したい事が山のようにあったのだから。 だから彼女が聖杯を求めることはなにもおかしなことではない。 だけど奏は、聖杯で願いを叶えることを善しとは思わない。 なぜなら。 「やっぱ違うよな」 なぜなら、彼女は自分の信じたことを果たしてきたのだから。 「全部のノイズをこの手で倒せなかったのは悔しいし、翼とツヴァイウィングを続けられないことは嫌だ。 でも最期に思いっきり歌うことはできたし、あの子も生きることを諦めてなかったんだから、きっと助かってる。 このロスタイムが終了すれば今度こそ御陀仏なんだろうけど、なんだかんだであたしがやるべきことはやってきたんだ。 だったら、聖杯に願うことは死ぬ前のことじゃなくて、死んだ後(いま)のあたしがしたいことであるべきだ。そうだろ? バーサーカー」 「……………………」 返事をすることのない従者に、それでも奏は語りかける。 いつか相方が狂気から解放され、話し返してくれると奏は信じている。少年の人生を夢で見たから。 大半は狂気の渦の中で覗き見ることはできなかったが、自分と同じように復讐のために力をつける努力をしている姿や、助けを求める声のために無茶をやらかす姿を見た。 出会いで変わって、大人たちに支えられて、どことなく自分に似た頼りなくも強い芯を持つ少年のことを、奏は信じると決めていた。 「じゃあ、やることは簡単だな」 この街でやりたいことがあるとすれば、災害に比肩する程の脅威であるサーヴァントから人々を助けることだけ。 昨夜はやりすぎで停電を引き起こしてしまったが、それでもサーヴァントを一騎退かせることには成功した。 少年そのものもサーヴァントであり――ある意味では、この地に招かれた災厄の中でもとびきりの“猛毒”である以上、周囲への被害を考えると極力戦闘は避けていくべきだが、そうも言ってはいられない事態に直面することはこの先も多々あるだろう。 シンフォギアさえあれば、巻き込まれた人が逃げる程度の時間は稼げるだろうが、無い物ねだりをしても仕方ない。 今の自分にできる限りのことを尽くして、今の自分の願いを叶えると、奏はそう決めたのだから。 可能な限り人々を守ることが第一で、後は…… 「……だから、よろしく頼むぜ」 他にやりたいことがあるとすれば――狂気の檻に囚われ、本来の自分を見失ってしまっている相方に自分の歌を聞かせたい。そんなところだろうか。 人生最期に思いっきり歌いはしたが、如何せんオーディエンスがノイズだったということに不満がないわけでもない。 だから今度こそ最期となるこの場所で、自分の相棒として召喚に応じた少年に歌を聞いて欲しいのだ。 だったらやっぱり聖杯なんて必要ない。そんなものなくても、自分たちだけで叶えることはできる。 だからこそ。 「壊すことも殺すことも本当はやりたくないくせに、狂気になんて負けてんじゃねえ。はやく目ぇ覚ませよ、バーサーカー」 少女はただ、少年に語りかけ続ける。 【クラス】バーサーカー 【真名】トーマ・アヴェニール 【出典】魔法戦記リリカルなのは Force 【性別】男性 【属性】秩序・狂 【パラメーター】 筋力:B+ 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:A 幸運:C 宝具:C 【クラススキル】 狂化:A 大半の理性を失う代わりに全ての能力値が上昇する。 本来ならばバーサーカー適正は低かったが、歯止めが効かなくなった殺戮衝動を取り込んだことにより最高ランクの狂化を得ている。 【保有スキル】 ゼロ因子適合者:A ECウィルスに感染、適合したEC感染者の中で、ゼロ因子を起動する資質を持つ者。 この「ゼロ」の起動によりバーサーカーの肉体は大幅に強化され、高い自己再生能力と生体魔導融合による物理エネルギー生成能力を得る。 ただしその強大な力の代償にバーサーカーは通常の視覚や聴覚、触覚といった五感を喪失している。 魔力分断:A 魔力の結合を分断し、同ランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 Aランクの魔力分断ともなると、近接戦闘においてサーヴァントを構成するエーテル結合にも作用し相手の耐久を1ランクダウンさせることも可能である。 殺戮衝動:- EC感染者に発生する殺人、破壊への激しい欲求。 狂化により理性が喪失したことで最高ランクまで高められたが、同時に狂化の一部として取り込まれ消失している。 【宝具】 『銀十字の書』 ランク:D 種別:管制宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人 バーサーカーの行動を取り仕切る武装端末及び独立管制ユニット。 これによりバーサーカーは狂化しながらも魔術の行使が可能となっている。 自身とバーサーカーの安全を確保することのみを至上としており、マスターはバーサーカーの現界に必要なため攻撃対象となることはないが、場合によってはマスターの命令に背き行動することもある。 また高い索敵能力と付近の物体の解析などの能力も有している。 『分断領域・界蝕零魔(ディバイドゼロ・エクリプス)』 ランク:A++ 種別:対魔術宝具 レンジ:1~40 最大補足:400人 バーサーカーの闘争本能が最高潮に達したときに発動する究極の分断。 レンジ内のあらゆる魔力要素に分断が働き、範囲内に存在する存在にダメージ判定が発生し、それがサーヴァントクラスの魔力で身体を構成している存在の場合は5ターンの間、耐久を1ランクダウンさせる。 あらゆる魔力要素に分断が働くこの宝具の真価は、範囲内に存在するサーヴァントやマスターの契約や魔力供給のパスをLUC判定によって分断する点にある。 なお、このパスの分断に関してのみ、自身も効果の対象として含まれている。 【weapon】 ディバイダー996 【人物背景】 エクリプスウィルス感染者の少年。幼少期に住んでいた村が壊滅しており、その事故現場にいた犯人と思しき二人組に復讐するためにひとりで鍛えていた。 しばらくして近くに特訓に来ていたスバル・ナカジマに拾われ、孤児院で生活を送ることになる。その後もスバルたちと交友しており、学校に通うと同時にナカジマ家の養子にならないかという提案を受ける。しかしその幸せを得ることに抵抗を感じたトーマは過去を払拭するための旅に出る。 世界各地を巡る旅の終盤、宝探しと写真撮影に向かった遺跡にて怪しげな集団を発見する。その際助けを求める声を耳にし、遺跡内の施設へ侵入する。そこで出会った少女、リリィを助けたことにより、少年はエクリプスウィルスとそれを取り巻く問題の中心人物となった。 犯罪一家に勧誘を受けることもあったが、特務六課の一員として自身と同じ病気を持つ者を保護する仕事についた。 そして―― 【サーヴァントとしての願い】 ?????????? 【基本戦術、方針、運用法】 敵意がない者に対してはマスターからの命令がない限り襲うことはしないが、敵意を持つ者には自動で攻撃をしてしまうというメリットかデメリットか判断し難い性質を持つ。 銀十字の書による索敵や魔力分断、魔力弾などにより、騎士クラス以外のサーヴァントにはほぼ有利を取ることができる。 三騎士相手では真正面から切り結ぶには技量面に不安があるが、高いパラメーターと再生能力で力押しすることも可能。接近戦で不利となる場合は対魔力を貫通するディバイド・ゼロなどで攻撃を加えていくことが望ましい。 【マスター】天羽 奏 【出典】戦姫絶唱シンフォギア 【性別】女性 【令呪の位置】左手の甲 【マスターとしての願い】 人々を守り、バーサーカーに自分の歌を聞かせたい。 【weapon】 なし 【能力・技能】 死人ゆえに膨大な量の魔力を供給することが可能。 しかし素質があるわけでもなく、無茶をすれば魂の焼失が訪れることとなる。 【人物背景】 ツインボーカルユニット「ツヴァイウィング」の1人で、シンフォギアシステム3号「ガングニール」の装者。 ノイズに家族を殺された過去を持ち、自らの手でノイズに復讐すべくシンフォギア装者となった。本来ならば適合係数が低く、ギアを纏うことは適わなかったが、適合制御薬「LiNKER」を過剰投与することによってシンフォギア適合者となる。当初は復讐の為だけに歌を歌い槍を振るっていたが、とある戦場で助けた自衛官の言葉から「自分達の歌は誰かを勇気付け、救うことが出来る」事を知り、復讐のためだけではなく、人々をノイズから護るために歌う事を決意する。 完全聖遺物「ネフシュタンの鎧」の起動実験の際、ツヴァイウィングのライブ中に出現したノイズとの戦いで重症を負った立花響を守るために絶唱を使用し命を落とす。 【方針】 聖杯戦争に巻き込まれる一般NPCをサーヴァントから守る。そしてバーサーカーの狂化が解ける方法を探す。
https://w.atwiki.jp/nandemoiiyooimori/pages/27.html
友だーちに大きな影響を与えた人物。 バーサーカー曰く「まぁ落ち着けよw」 現在は更生して名前を変えている。
https://w.atwiki.jp/seirei_san/pages/292.html
バーサーカー ウルトラレア 必要魔力 16 近距離 俺嫁→ 攻撃 防御 TOTAL 親愛度MAX 4828 3349 8177 6000 誕生日 3月18日 身長 175cm 体重 60kg 3サイズ スキル 狂気効果 防御力を犠牲にして、攻撃力をかなりup強化後スキル 狂戦士の叫び効果 味方全タイプの防御力を犠牲にして攻撃up 親愛度 コメント 低 なんだオマエ。狂戦士と恐れられる、この俺の力が借りたいってのか?フン…おもしれぇ。ヤケドしても知らねーぞ! 中 俺は戦うために生まれてきたんだ…だから、それ以外は何も知らねぇ。ま、どんなヤツでもブッ飛ばしてやるから、どんどんバトルさせろよな! 高 最近、かなり息が合ってきたよな!この俺の力を使いこなすなんて、オマエなかなかヤるじゃねぇか。さあ、今日も一緒に戦おうぜ♪ 嫁 俺だってビックリしてんだ。戦いしか知らなかった俺が…オマエのこと、こんな風に…。なんだよ!笑うなよ!う〜…それ以上笑うと本気でブッ飛ばすぞっ! 親愛度 セリフ 低 なんだよ、ジロジロ見やがって。この剣のサビになりたいのか? うぅぅ〜…戦ってないと禁断症状が…ブルブル この俺を使おうなんて、オマエもモノ好きだなぁ! なんでもいいけど、早く戦わせろよ! 中 日々の鍛錬も大事だけど、やっぱ実戦が一番! 最っ高のバトル日和だな!腕が鳴るゼ〜♪ さあ、今日も楽しくブッ飛ばして行こうゼ! 敵をなぎ倒すときって、ホント気持ちイイよなぁ〜… 高 戦いは元々好きだけど、オマエと一緒だから余計に楽しいんだ♪ヘヘッ… 何?もう俺がいないとダメ?ハハハッ…わかってるって! 他のヤツにばっかり戦わせてたら、ブッ飛ばすぞ! 俺の剣さばきに見とれやがって…え、剣じゃなくて俺っ!?な、何言ってんだよ! 嫁 え?髪を下ろしてみろって?うーん…バトルには邪魔だけど、オマエが言うなら… なあ、もっとこっちに来いよ。…斬ったりしねぇからサ。ホラ! オマエに会えて、ホントよかったなって思う。…お、思う存分戦えるしなっ! たまには戦いの手を休めて、こうして一緒にいるのもイイよな♪ スキンシップ後 朝 え、血の味がする?ハハハ…気のせい、気のせい♪ 夜 おいおい、まだ寝るには早ぇだろ。もっと一緒にバトルしようゼ! なでなで うわわっ!な、なんだよぉ…!俺を撫でたっていいことないぞ! その他 誕生日 オマエが作ってくれたケーキ、俺の剣で切ってやろうとしたら吹き飛んじまった…悪気はないんだゼ? おやすみ おいおい、まだ寝るには早ぇだろ。もっと一緒にバトルしようゼ! -- 名無しさん (2013-01-17 21 59 31) 低コメ:なんだオマエ。狂戦士と恐れられる、この俺の力が借りたいってのか?フン…おもしれぇ。ヤケドしても知らねーぞ! -- 名無しさん (2013-01-17 22 12 48) 低セリフ:なんだよ、ジロジロ見やがって。この剣のサビになりたいのか?/うぅぅ〜…戦ってないと禁断症状が…ブルブル/この俺を使おうなんて、オマエもモノ好きだなぁ!/なんでもいいけど、早く戦わせろよ! -- 名無しさん (2013-01-17 22 13 59) おはよう え、血の味がする?ハハハ…気のせい、気のせい♪ -- 名無しさん (2013-01-18 07 10 12) 中コメ:俺は戦うために生まれてきたんだ…だから、それ以外は何も知らねぇ。ま、どんなヤツでもブッ飛ばしてやるから、どんどんバトルさせろよな! -- 名無しさん (2013-01-30 20 09 49) 中セリフ:日々の鍛錬も大事だけど、やっぱ実戦が一番!/最っ高のバトル日和だな!腕が鳴るゼ〜♪/さあ、今日も楽しくブッ飛ばして行こうゼ!/敵をなぎ倒すときって、ホント気持ちイイよなぁ〜… -- 名無しさん (2013-01-30 20 10 52) 高コメ:最近、かなり息が合ってきたよな!この俺の力を使いこなすなんて、オマエなかなかヤるじゃねぇか。さあ、今日も一緒に戦おうぜ♪ -- 名無しさん (2013-02-13 21 33 41) 高セリフ:戦いは元々好きだけど、オマエと一緒だから余計に楽しいんだ♪ヘヘッ…/何?もう俺がいないとダメ?ハハハッ…わかってるって!/他のヤツにばっかり戦わせてたら、ブッ飛ばすぞ!/俺の剣さばきに見とれやがって…え、剣じゃなくて俺っ!?な、何言ってんだよ! -- 名無しさん (2013-02-13 21 34 11) 親愛度:嫁)俺だってビックリしてんだ。戦いしか知らなかった俺が…オマエのこと、こんな風に…。なんだよ!笑うなよ!う〜…それ以上笑うと本気でブッ飛ばすぞっ! -- 名無しさん (2013-03-14 23 56 54) ↑のはコメントです。失礼しました。 -- 名無しさん (2013-03-14 23 57 40) 親愛度:嫁セリフ)え?髪を下ろしてみろって?うーん…バトルには邪魔だけど、オマエが言うなら…/なあ、もっとこっちに来いよ。…斬ったりしねぇからサ。ホラ!/オマエに会えて、ホントよかったなって思う。…お、思う存分戦えるしなっ!/たまには戦いの手を休めて、こうして一緒にいるのもイイよな♪ -- 名無しさん (2013-03-14 23 59 17) なでなで:うわわっ!な、なんだよぉ…!俺を撫でたっていいことないぞ! -- 名無しさん (2013-08-03 18 09 39) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/3198.html
トルネコ2、3に登場する杖。 この杖を敵に向かって振ると、敵がバーサーカー状態になる。 バーサーカー状態になった敵は、バーサーカー同様倍速1回攻撃になり他の敵をどんどん倒してレベルアップしていく。 バーサーカー状態になった敵は通常攻撃しか行わなくなるので、この杖は封印の杖同様に 敵の特殊攻撃を封じる効果も持っている。
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/42.html
白坂小梅&バーサーカー ◆lHaWUMA7LM 初めは、それがおかしなことだと思っていなかった。 両親のことが好きであることが当然であることように、その『子』が大事な友達であることも当然なことだった。 そして、大事な人と大事な人が仲良くなれば嬉しいと、当然のように思っていた。 「ね、ねえ……あの子も、連れて行っていい……?」 少女『白坂小梅』が優しい心を持った子供であるように、小梅の両親もまた優しい人たちだった。 ただ、問題があるとすれば、両親は優しいだけの『ただの』人間だった。 両親は意味を理解できないように、困った顔を作る。 鏡写しのように、小梅も困ったように首を傾けた。 なにせ、小梅には見えているのだ。 小梅の前で、両親へと向かっておどおどと頭を下げる『友達』の姿が。 なのに両親は、無視とも違った雰囲気を出しながら、小梅を見るだけだ。 何を言っているのかと、両親は小梅に問いを投げかける。 何を言っているのかと、小梅は両親に思いながら問いに応えた。 「……………ッ?」 その意味を、両親はたっぷり十分はかかって理解した。 両親は一度顔を紅潮させ、しかし、怒鳴りつけるようなことはしなかった。 大きく息を吸い、大きく息を吐いた。 病院に行こうか、と。 両親は言った。 小梅は、幼心に理解した。 両親は、小梅の大事な友達と友達になれない人なのだ、と。 それから、口数が減った。 この時点では、『病院』という意味は、分からなかった。 ただ、『友達』のことは喋ってはいけないことだということが、分かった。 「……お、おはよう」 それでも、小梅は両親に対して不満を持つことはなかった。 両親のことは変わらず大好きだったし、 両親の教えを守っていた。 人と会えば、挨拶をする。 人に挨拶をすれれば、挨拶を返す。 それは礼儀だ。 そう言った行為をしないことは、ひどく、失礼なことで、人間として恥ずかしいことなのだ。 失礼なことは、自分だけじゃなくて、自分の周りにいる好きな人も恥を晒してしまう。 だから、小梅は挨拶をした。 『みんなには見えない友達』に、毎日、毎日、挨拶をした。 『みんなだって見える友達』にも、毎日、毎日、挨拶をした。 誰としゃべっているの、という問いかけにも、無視をしたら失礼だから、と、隠すことなく応えた。 そんな生活を続けていると、あんなに優しくて逞しかった父親が、見る影もない顔で酒を浴びるように飲んでいた。 そんな生活を続けていると、あんなに穏やかで綺麗だった母親が、見たこともない醜い表情で怒鳴りつけてきた。 そんな生活を続けていると、友達がいっぱい居た土地から離れることになっていた。 両親に連れて行かれた『病院』の意味を理解した時には。 小梅はすでに、自身の異常性も理解していた。 同時に、分からなくなったことも生まれていた。 自分の頭がおかしいのだろうか。 そう思っても、小梅の目にだけ映る存在は確かな現実だった。 小梅にも、他の人に見える友達が出来た。 両親はそれを安堵してくれたし、小梅としてもその友達は、親や世間体のために無理矢理に作ったものではなかった。 小梅が友達になりたいと思い、小梅と友達になりたいと思ってくれた友達だ。 ただ、悲しかった。 友達と友達は、絶対に友達になれない。 皆から見える友達も、皆には見えない友達も、いっぱいいるのに。 友達と友達が触れ合うことがないことが、何よりも哀しかった。 ◆ なんの変哲もない、映画館でのこと。 作業をしていた店員は、突然臭いだした腐臭に顔をしかめた。 何か、問題が起こったのだろうか。 フロアの責任者として、奥で行っていた作業を中断して、表に出る。 「あ、あの……そのぉ……」 「ウォッカだ」 すると、そこには一人の異形が立っていた。 異形と向かい合っているアルバイトの女子学生は、可哀想なほどに顔を恐怖に染めている。 異様だった。 ボロにさえ見える黒いカソックコートを纏い、 同じくボロボロの包帯で顔と体を包み、 用心深く顔を隠すようにウエスタンハットを目深に被る。 「……ッ!」 「……お、お客様」 「あぁん……?」 振り返った女子学生バイトの縋るような瞳を前にして、店員は一歩前に出た。 異形の怪人は喉を震わせて、問の続きを促す。 不快の念も、怒りの情もない。 ただ、店員の言葉にゆっくりと応えただけだ。 なのに、店員はもう逃げ出してしまいたいほど恐怖を感じていた。 「ウ、ウォッカは、当店では販売しておらず……」 「…………じゃあ、なんでもいい。 ショーチュでも、サケでも……なんなら、薬用アルコールでもいい」 「な、生ビールでよろしいでしょうか?」 「ビールなら、瓶だ」 店員の後ろで神父姿の男の言葉を聞いていたアルバイトは、脱兎の勢いで瓶ビールを持ってくる。 そして、勢いをそのままに瓶ビールを神父へと差し出した。 蓋を外すことなく、差し出したのだ。 店員は顔を青くしたまま、客前だということを忘れて叫んだ。 「お、おい!王冠、王冠!」 「あっ!」 「別にいい」 カソックコートの怪人はそう言うと、瓶ビールの先端部分を包帯に包まれた指でひねった。 すると、まるでキャップのように瓶ビールは蓋が空いた。 破損したと、言い換えてもいい。 カソックコートの怪人は瓶の先端部分を軽く投げ渡し、片付けておいてくれ、と短く言った。 「ほ、他にご注文は?」 店員がそう尋ねた瞬間だった。 再び、地の底から響くような不気味な音が鳴ると身構えていると。 「ぽ、ポップコーンを……た、単品と、セットで……一つずつ…… ドリンクは……コーラ、で……ポップコーンは、塩……」 ひょっこり、と。 小柄な少女がカウンターに手をついて顔を出した。 150cmにも届いていない、あどけない童女だった。 染めているのか地毛なのかはわからないが、ショートカットの金髪は目を刺すほどに煌かしい。 サイズの合っていない、ブカブカのアウターは袖があまり小さな手を隠している。 片目を長い前髪に隠しているが、露出している片目は人懐っこいネコのように店員を眺める。 「えと、び、ビールの分を含めて……おいくら、ですか?」 少女は、白坂小梅。 そんな名をした少女だった。 ポカン、と呆気に取られる。 「……どうした……ポップコーンもないのか?」 「あっ、は、はい! ただいま!」 呆気にとられていた店員に対して、不意打ちのように低い声が投げかけられる。 店員は普段と同じように手早く動き、商品を用意する。 瓶ビールとポップコーン単品、そして、ポップコーンセットの会計を行う。 意外なことに、財布を取り出したのは小梅だった。 店員はとにかく早く済ませたいと思いながら会計を済まし、小梅は長い袖に隠した手で商品を受け取る。 鼻につく異臭を周囲に撒き散らしながら、酒気を帯びた神父は小梅の後ろを歩いていく。 異様な二人組だった。 共通点と呼べるものが欠片も思い浮かばない。 まさか、あの異臭を放つ不審者としか言えない神父は、あどけない少女の父だとでも言うのだろうか。 まさか、誘拐犯? それにしては、主導権を握っているのは小梅のように見える。 「……な、なんだったんでしょうか」 「……あの女の子は、やんごとなきお方なのかもしれないな」 「……え、えと、何言ってんですか?」 店員の間抜けなつぶやきに、アルバイトは言葉を返した。 店員は自分がバカなことを言っていると思ったのか、顔を紅潮させ、事務室へと戻っていった。 そんなことは露知らず、小梅は劇場の席につくと、パクリと、小さな口にポップコーンを放り込んだ。 映画が始まるまでの僅かな間、カソックコートの怪人と隣り合って座して待つ。 小梅は流れる宣伝を眺めながら、怪人に語りかけた。 「ば、バーサーカー……さん……」 「あん?」 「ご、ごめんね……わがまま、い、言って……」 小梅の問にカソックコートの怪人、『バーサーカー』のサーヴァントは『構わん』と応えた。 すでに読者諸兄はこの異様なアトモスフィアによって薄々と気づいていただろうが、この怪人はサーヴァントである。 そして、このバーサーカーのサーヴァントの召喚主こそが白坂小梅なのだ。 「文句はなんもねぇよ……好きにやりゃいいさ」 事実、バーサーカーは歩きまわることに否定をしなかった。 率先して戦闘を起こすとなると何かしらの提案あるいは反論をしたかもしれない。 しかし、映画を見るだけならば、否定をするつもりはなかった。 映画自体は騒がしいが、空間は静寂だ。 嫌いな空間ではなかった。 「……しかし」 それでも、不明瞭なことがあった。 小梅は、バーサーカーと隣り合って映画を見ることを求めた。 なぜ、自分が実体化をして席を隣り合って見ることに拘るのか。 別に、霊体化のままでも問題はなかった。 「お前は、俺が鬱陶しくないのか?」 「な、なんで?」 「臭いだろ、まず、第一に……アァ、気持ち悪いってのもあるな」 包帯に包まれた指を折りながら、バーサーカーは問いかける。 バーサーカーの言葉は事実だ。 腐臭とアルコール臭は鼻が曲がるほどだし、現に、周囲の客は顔をしかめている。 それでも不満が飛び込んでないのは、バーサーカーの研ぎ澄まされた刃物のような異常性のためだ。 不満はあるが、表に出さないだけ。 そして、恐怖しているだけだ。 なのに、小梅にはその恐怖がないようだった。 「そ、そんなに、気にならない……かな……他の『みんな』でも、見たことあるし……」 「……『みんな』?」 「『みんな』は、わ、私しか……見えてないの……でも、居るよ……?」 『みんな』という言葉が、バーサーカーには今ひとつ理解できなかった。 不特定多数を差す言葉ながら、その不特定多数の集まりがどのような集合体なのかがわからない。 「ただ……と、時々……」 小梅は、顔を俯かせた。 長い前髪で隠れていた片目だけでなく、露出している目もバーサーカーから見えなくなった。 「ほ、本当は……私の頭が……お、おかしいだけじゃないかな、って……思ったりも…… だから……バーサーカー、さんが……見えてるのも、私だけじゃないかなって…… じ、実際……さっきまでは、見えてなかったし……」 『さっきまで』とは、霊体化していた時のことだろう。 普通は、通常は、ただの人間にはバーサーカーを認識できないのだ。 「だから、一緒に……遊んだら、他の人も……み、見えてるのかな……って…… わ、私だけじゃ……ないのかな……って…… お、おかしいね……私の、頭……」 小梅が笑った。 初めて見せる、弱々しい笑みだった。 バーサーカーはビールを呷り、呟いた。 「おかしかねえよ」 その言葉に小梅を目を丸くする。 そして、バーサーカーは何かを確かめるように手を握り、開いた。 「俺は『ジェノサイド』だ……」 バーサーカー――――ジェノサイドが視線を落とした際に、ふと、ウェスタンハットがずれた。 小梅はバーサーカーの真名を聞いたのはこれが初めてだったことに気づいた。 小梅は顔を上げ、『ジェノサイド』という存在を見た。 緑色に濁った瞳を。 剥ぎ取られた頬を。 露出した腐肉を。 言葉を話す死体を。 自身の頭を優しく撫でてみせた骨の露出した手を。 白坂小梅が目撃した。 同時に、隣にいる小梅が目撃したということは。 「ア、アイエッ……?」 逆隣の他人もまた、目撃した可能性があるということだ。 事実、逆隣の客は顔を蒼白に染め、震える足取りで席を立っていた。 小梅には不思議だった。 確かに、ジェノサイドは通常の人間ではない。 でも、『どこにでも居るような特徴』に過ぎないというのに。 しかし、そんな疑問もどうでも良かった。 そうだ。 屍体が、『生きているはずのない存在』が、確かに『存在』するという『事実』。 その『事実』を、白坂小梅は、生まれて初めて、『他者と共有』したのだ。 「俺は、ジェノサイドだ……俺は……ここにいる…… 他の誰でもない、『俺』が、ここにいるんだよ……」 グビリ、と。 ジェノサイドは、喉を鳴らして酒を呷った。 その言葉は、自分に自身を喪失しないための、確認の言葉であり。 その言葉は、他者に自身を知らせるための、威嚇の言葉であり。 その言葉は、小梅に他者と世界を共有していることを教える、慰めの言葉であった。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 ジェノサイド@ニンジャスレイヤー 【パラメーター】 筋力:A- 耐久:C- 敏捷:D- 魔力:B 幸運:E 宝具:C++ 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 狂化:D- スキル『生ける屍』の影響で、痛覚を完全に遮断しており、痛覚による干渉を無視する。 ステータスを向上させない代わりに、理性を多く残している。 が、ジェノサイドはズンビー・ニンジャであり、常にニューロンが腐敗していっているために前後の記憶が定かでないことが多々ある。 理性を壊すスキル『狂化』すらも、ニューロン腐食の影響でスキルランクを大きく低下している。 【保有スキル】 生ける屍:B+ ジェノサイドは、屍体にニンジャソウルを植え付けられることで蘇ったズンビーニンジャである。 生ける屍であるため、あらゆる感覚が鈍く、痛覚に至っては完全に遮断されている。 サーヴァントという存在を喰らわなければ、例え魔力が十分に供給されていようとも、ジェノサイドは消滅する。 また、消滅まで行かずとも、長期間サーヴァントを捕食しなければ、睡眠にも似た突発的な意識停止状態に陥る。 自己改造:B 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。 このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。 ジェノサイドは他サーヴァントを捕食することで魔力と肉体を回復させる。 直感:B 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。 視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 すなわち、カラテである。 【宝具】 『蒼ざめた死獣(ゼツメツ・ニンジャ)』 ランク:C++ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 『第四の封印を解いた時、第四の生き物が「来たれ」と言うのを聞いた。 そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。 そして、それに乗っている者の名は「死」と云い、それに黄泉(ゲヘナ)が従っていた。』 第四の災厄のニンジャであり、ジェノサイドに憑依したニンジャソウルそのもの。 このニンジャソウルが憑依したことの影響で、死していた体はズンビーとして蘇り、ジェノサイドは超常の力を得た。 ジェノサイドの力の源であり、この宝具が失われることはジェノサイドの真の死を意味する、常時展開型の宝具。 【weapon】 鎖付きバズソー(丸鋸) 【人物背景】 屍体にニンジャソウルを憑依することで誕生する、超常の力を宿した生きる屍、『ズンビーニンジャ』である。 ズンビー化によるニューロンの腐敗によって、ジェノサイド自身も自身の記憶を失っているため、謎に包まれている。 醜く腐蝕した身体を隠すためにボロボロのカソックコートを纏い、腐肉の覗く顔を隠すためにウエスタン帽を被ってsいる。 かなり大柄な体であり、室内で立つと大凡の家屋では天井に届くほどである。 ズンビーとしての腐臭を隠すために酒を常に飲んでおり、また、頬が腐敗して破けているために酒を床に零すことが多々ある。 【サーヴァントとしての願い】 生ける屍体である自身に安息を。 【基本戦術、方針、運用法】 瞬発力はともかくとして、敏捷にすぐれない局所的広範囲での戦闘を得意とする。 とにかくサーヴァントを捕食しなければ、何もせずとも消滅してしまうという最悪の事態を回避するのが最優先である。 【マスター】 白坂小梅@アイドルマスター シンデレラガールズ 【マスターとしての願い】 【weapon】 【能力・技能】 いわゆる、『見える』人。 霊体化しているサーヴァントが見えるかどうかは不明。 【人物背景】 ホラー好きで霊感が強く、普通の人には見えないものが色々見えるらしい。 特に『あの子』と呼んでいる友達(?)がおり、仕事に度々ついて(憑いて?)来ている。 ホラー・スプラッタ映画鑑賞、心霊スポット巡りなどが趣味のホラー好き。 見た目は根暗そうで話し口調もたどたどしい。 が、台詞の端々からは仕事に対する前向きな姿勢が見て取れ、歌が得意であるらしい発言もある。 また勉強については以前はあまりやる気がなかったようだが、特訓後に「やっぱり勉強も……頑張ろうと思う……」とプロデューサーへ教えを請いに来る。 一方で13歳にして金髪(染めているのか生まれつきなのかは不明)にピアスという外見。 心の中で「(爆発すれば…いいのに…)」と考えていたり(何が?)、 LIVEの際には「スプラッターショーの…始まり?」「悪夢…見せて、あげる」と煽ったり、過激な一面も。 【方針】 不明 BACK NEXT -006 ララ&アサシン 投下順 -004 雪崎絵理&バーサーカー -006 ララ&アサシン 時系列順 -004 雪崎絵理&バーサーカー BACK 登場キャラ NEXT Happy Birthday! 白坂小梅&バーサーカー(クロメ) 000 前夜祭 009 ガール・ミーツ・ジンチョ・ゲーザーズ・ネクロマンス
https://w.atwiki.jp/ffwm/pages/143.html
足立透&バーサーカー◆wzmTZGmcwM 「アマテラス!」 黒い長髪の少女が呼び出した虚像が淡い光を放ち、彼女と三人の仲間の傷をたちどころに癒やしていく。 自分が何度攻撃を叩き込んでもすぐこれだ。ふざけるな。 「吼えろ、スサノオ!」 ジュネスの息子が放った暴風の塊が強かに自分を打ちつける。 戦い始めた最初の頃はさして痛くもない攻撃だったが今ではその一発がボディブローのように効いてくる。 しかも合間を見ては他の仲間たちに補助を行い素早さで翻弄してくる始末。ふざけるな。 「スズカゴンゲン!」 短髪の少女が呼んだ虚像から放たれた特大の拳が迫る。 避けようとしても避けきれず、たまらず吹っ飛ばされた。いつも肉ばかり食ってるくせにふざけるな。 「はぁ、はぁ……」 おかしい。何故こんなことになった。 自分はこのテレビの世界と同調し、万能の力に目覚めたはずではなかったか。 それなのにどうして、何の間違いがあってこんなガキどもに追い詰められている。 仲間だ絆だとほざきながら、その実群れなければ何も出来ないだけの高校生に、どうして。 「うっし今だ!決めろ鳴上!」 「イザナギ!」 気がつけば正面に、銀髪の少年がいた。 側には自分のペルソナに酷似した虚像、イザナギと呼ばれたものが在った。 多くの仲間と共に立つ彼と何の間違いがあったかこうして地に這いつくばる自分のどこに違いがあったのか。 同じ力を持っているのに、どうして。 「自分の罪を認めろ……」 イザナギが力を溜めていくのが見て取れる。 だが今の自分にはそれを阻むほどの余力は残されていない。 尻餅をついて後ずさっていると、手が何かに触れる感触がした。 「………現実と向き合え!!」 大太刀を構えたイザナギがまっすぐに、吸い込まれるように向かってくる。 駄目だ、やられる。そう確信した時、手に触れた物体が白く輝きだした。 その光が何なのかを理解するより前に、意識は途絶えた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「うぁあっ!?」 意識が覚醒すると同時に飛び起きた。 慌てて部屋を見渡して、ほっと胸をなでおろした。 「またあの夢かよ。くそっ…」 すっかり目が覚めてしまい、寝直す気になれず冷蔵庫に向かった。 水の入ったペットボトルを取り出すと一気にそれを呷った。 「はあ…何で夢にまで出てくるんだよあのガキども。 現実と向き合えってお前が六股してる自分の罪を認めて現実と向き合えよバーカ。知ってんだぞ俺は」 本音を言えば酒に逃げたい気分だが今は不味い。 何しろ現在進行系で命を賭けたゲームに参加中の身なので、迂闊に酔っ払うわけにもいかない。 何時どこから刺客がやって来るかわからない状況で酒を飲めるほど足立透という男の精神は図太くはなかった。 足立透はスノーフィールドを模した世界で行われている聖杯戦争のプレイヤーの一人だ。 ある時モデルガンの雑誌を読んでいると唐突に記憶が蘇り、そこでこの世界に来る直前に触れた物体が白紙のカードだと悟った。 そしてサーヴァント・バーサーカーを召喚して今日で五日経過、今に至る。 現状を認識し、サーヴァントのステータスを確認した足立が取った方針は一言で言えばバーサーカーへの丸投げだった。 何せバーサーカーは強い。まともに姿を見ただけでペルソナという力を持つ自分が竦み上がるほどに。 索敵も全自動で勝手に済ませて敵を潰してくれるという便利さだ。 これでは足立がマスターらしく敵を探して回る方がよっぽど危険で割に合わないというもの。 ここが日本なら職業を活かす手もあるが生憎ここでの足立は単なる旅行者の身分だ。 なので足立は滞在しているホテルで日がな一日ゴロゴロしながらバーサーカーの戦果を待つことにした。 何も単に怠けたいからという理由ではない。考えた結果、そしてバーサーカーへ魔力を提供する中でこれが一番効率が良いと気づいたのだ。 どうも魔力というものは体力に置き換えられるものらしい。生命力とも言えるか。 バーサーカーが戦闘に使う魔力を提供してやると疲れるような感覚を覚えた。 ならばなるべく体力を消費する行動を控えてバーサーカーにリソースを分けてやるのが賢いやり方というものだろう。 第一バーサーカーと一緒にいるところを見られたらどうなるかわかったものではない。 マスターやサーヴァントが徒党を組んで自分を狙ってきたら不味い。あの高校生たちとの戦いを振り返ればわかる。 足立から見て彼らの一人一人はてんで大したことのない、リーダーにおんぶに抱っこの連中だった。 唯一そこそこ自分に拮抗する力を持っていたリーダーの少年を除けば、一対一の勝負をすればまず勝てるぐらいには実力差があった。 その彼にしてもしばらくペルソナの魔法を使っていればすぐに息切れして道具に頼る有り様。 本当に、対等で公正な勝負なら負けるはずがなかったのに。思い出してまた腹が立つ。 「なーにが絆だよ、仲間だよ。ただのリンチの言い訳じゃねえか」 その点バーサーカーは良い、ワーワー群れなければ何も出来ない高校生どもとは違う。 たった一人で完結した強さがあるし、何よりこちらに干渉してこないことが有り難かった。 マスターとサーヴァント、運命共同体といっても結局は聖杯を手に入れるまでの一時的な同盟に過ぎない。 それなら互いに干渉せず、それでいて利害関係からはずれないようにする。 ……それで良いじゃないか。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ スノーフィールド中心部にある高級ホテル、その最上階を丸ごと借りきった男がいた。 男は他のマスター同様期せずして白いカードに触れ聖杯戦争に身を投じることになった。 聖杯戦争。耳にしたことはあったがまさか自分自身が参加する羽目になろうとは。 「マスター、工房の敷設が完了しました。 ですが本当に此処を拠点として使われるのですか?」 自身の身長ほどもある杖を持った神官のような装いの青年が現れた。 彼こそはムーンセルから配されたキャスターのサーヴァントだ。 資産家の設定を持つ男はキャスターの持つスキルを知るやこの場所に魔術工房を敷くよう指示を出していた。 「いやいや、ここが良いのさ。 スノーフィールドの経済の中心で、人も物も金もよく動くここがね」 「ですが神秘の秘匿に反することになれば監督役から如何なる罰が下されることか…。 何故自ら不利を被るような場所に拠点を構えるのですか?」 「もうちょっと頭を柔らかくして考えなって。 神秘の秘匿とやらを守らなきゃいけないのは他のマスターだって同じだ。 大勢の人間が宿泊してるこのホテルを、魔術がバレないように攻めるには嫌でも正面から来るしかない。 つまりは君の独壇場だ。あちらは強力な対軍宝具とやらも迂闊に使えやしない」 男の考えた戦略とは神秘の秘匿という、プレイヤーたちの過激な行動を抑制するルールを逆利用するものだった。 防衛戦に優れたキャスターの実力を遺憾なく引き出すため、敵が男の意図を理解していても正面から乗り込むしかない状況を作り出した。 何しろ下手な真似をすれば神秘の漏洩に繋がり処罰される。 それを避けるには異界と化したキャスターの工房を、一つ一つ丁寧に攻略する以外に手立てはないのだ。 とはいえ外部からアーチャーの狙撃などで最上階を直接攻撃される可能性もないではない。 そういった事態に備えて工房外壁は余人の目には見えない強化が施されており、さらに万一に備えてこの最上階からの脱出の手筈も準備させてある。 無論この策がいつまでも通用する保証はないが、とりあえず足元を固めることは出来たと考えて良いだろう。 「さて、次は情報を集めないとな。 このゲーム、乗るにせよ乗らないにせよ今は判断材料が少なすぎる。 乗るのであれば監督役やその上役が信用できる者だという確証が、乗らないなら無事脱出できる要素が欲しい」 男の思索は既に次のステージに移っていた。 男はとにかく確実に生還したかった。他のマスターやNPCとして連れてこられた人々への罪悪感がないではないが正直彼らに気を遣う余裕がない。 そう簡単に逃げられるデスゲームとは思えないが、かといって馬鹿正直に乗って優勝した結果主催側に騙され殺される可能性もないではない。 この先の方針を決めるには何を置いても有益な情報が必要不可欠だ。 「マスター、サーヴァントの姿を捉えました!」 考え事をしていた時、キャスターの監視網が接近するサーヴァントを捉えた。 「こっちに近づいてきてるのか?」 「はい、念のため迎撃の準備を行います」 「わかった、餅は餅屋だ。戦闘は君に任せるよ」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 黒を基調とした、四本角の戦士が夜の街を駆ける。 足立透の従僕として召喚されし狂戦士の英霊、バーサーカー。 本来はグロンギの暴虐からリントの生命と笑顔を守る心優しき戦士クウガ。 されど今のクウガは心を闇に染め上げた時現れる禁忌の姿の側面のみを切り取られて現界した生物兵器、空我である。 111: 足立透&バーサーカー ◆wzmTZGmcwM :2017/01/05(木) 21 17 01 ID C5VehgBw0 その暗く濁った双眸が映し出すものは滅ぼすべき敵の姿のみ。 建造物や魔術などで視界を遮られていようともバーサーカーの目にははっきりとサーヴァントの姿が映し出されている。 すなわち、この街で最も高いホテルの最上階に布陣するキャスターとそのマスターの姿が。 ホテルを見渡せるとあるビルの屋上に着地。 即座に有効な攻撃手段の検索を開始した。 ボウガンによる狙撃…不可。目標の存在する最上階は魔術による強化が施されておりペガサスボウガンの威力では突破できない。 ライダーキックによる襲撃…不可。威力に問題はないがキャスターを捉えきれる保証はなく、こちらが隙だらけになる。 発火能力による発破…有効。しかし最上階部分は魔術による強化で発火能力の通りが悪い。 建物全てを同時に発火させる方法が最も効率が良い。 攻撃手段、検索終了。 バーサーカーがホテルへ右手を向けると次の瞬間、ホテル全体が業火に包まれた。 いいや、正確に言い表すならばホテル全体の組成を分子単位で組み替えて炎にした。 そこにどれほど大勢の人間がいるかなど、バーサーカーは斟酌しない。 人の理と利は同じ人間にしか通用しない、まして凶獣が解する道理など存在しない。 まるで世界を彩るキャンドルのようにして、スノーフィールド一の威容を誇っていたホテルが燃え上がる。 あまりに現実離れして美しく、そして凄惨な光景を多くの人間が目撃した。 ある者はただただ呆然とし、ある者は恐怖に駆られて逃げ出した。 だからだろう、燃え上がり中にいた宿泊客諸共炭化し崩れ行くホテルの中から二つの点が夜空へと消えていったことに誰一人気づかなかったのは。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 何だこれは。何だあれは。 キャスターのマスターは聖杯戦争というおよそ非現実的なゲームに参加する者ではある。 しかし今の彼は背後の非現実的極まる光景を目の当たりにして、現実感を持てずにいた。 燃えている。つい今しがたまで自分たちがいたホテルが、残らず全て炎になっている。 何故だ、何故こんな真似が平然とできる? 論理的に考えても、倫理的に考えても有り得ない、破綻している。 キャスターの陣地が辛うじて下手人の攻撃を食い止めていなければ今頃は自分たちも単なる燃えカスになっていたに違いない。 「マスター、口を閉じて!今はとにかく生き抜くことだけを考えて下さい!」 飛行の魔術を唱えたキャスターに抱きかかえられた男は蒼白な顔でコクコクと頷いた。 その時、キャスターが出現させていた魔法陣に何かが立て続けに衝突した。 サーヴァントたるキャスターの眼はその攻撃を仕掛けた者の姿を克明に映していた。 「やはり追撃してくるか…!ならば!」 地上からビル群を足場にしながら追いすがる四本角のサーヴァントへ向け大威力の魔砲を放つ。 こんな後先考えない真似をしでかすサーヴァントなどバーサーカー以外有り得ぬだろう。 バーサーカーならば対魔力スキルを持たないはずであり、必然キャスターたる己が比較的優位に立ち回れる相手だ。 十五の光条がバーサーカーという狼藉者へ一点に集中する。 全てがAランクの威力、さらには標的を追尾する概念をも付与してある。 三騎士でもない限り、生半に凌げるものではない。 だが、バーサーカーは一瞬足を止め右の拳に力を込め魔力を集中させると迫る魔術光弾へ渾身の右ストレートをぶつけた。 言葉にすればたったそれだけ。ただの拳圧で以ってキャスターが必殺を期した魔力砲は呆気無く砕け霧散した。 伝説の武具から解放された逸話の具現でもなければ生涯を掛けて到達した武技の極地でもない。 キャスターから見ても否定・反証のしようがないほどの、勢いをつけただけのただのパンチだった。 「冗談じゃない!」 あれは、駄目だ。 およそ英雄と呼べる存在でも到底太刀打ちできるものではない。 念のために転移術式を準備しておいて良かった。 急拵えの術式のためさほど遠くに転移はできないが不意を突く程度はできるはずだ。 猛スピードで迫り来るバーサーカーを尻目にキャスターとそのマスターは無事転移を果たした────────── 「えっ」 ──────────果たした直後、キャスターが見たのは空中から脚部に夥しい魔力を纏わせながら飛び蹴りを行ったバーサーカーの姿だった。 そんな馬鹿な、とキャスターが思ったのも無理からぬことだ。 バーサーカーの蹴りは一ミリの狂いもなくキャスターの転移地点へと向いていたからだ。 キャスターといえど詠唱なしに魔術を発動することはできない。 直撃、爆砕。 辞世の句を唱えることも叶わず、キャスター主従の夢と希望は怪物によって塵へと消えた。 サーヴァントを討ち果たしたバーサーカーの瞳には何の変化も感慨もない。不要なものだからだ。 災厄を人型に凝縮したかの如き悪鬼の破壊は全ての敵を滅ぼすまで止まることはない。 ────────聖なる泉枯れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん 【クラス】 バーサーカー 【真名】 凄まじき戦士@仮面ライダークウガ 【属性】 秩序・狂 【ステータス】 筋力A++ 耐久A++ 敏捷A 魔力C 幸運D 宝具A 【クラススキル】 狂化:EX 特殊な狂化タイプ。戦うためだけの生物兵器。 バーサーカーはその在り方から狂化の影響下にあっても一切戦闘技術が損なわれない。 ただし常に敵を破壊するために動こうとするため、マスター側にも一定以上の制御技術が求められる。 【保有スキル】 超越肉体:A 凄まじき戦士の強固な生体甲冑は生半な攻撃を受け付けず、傷を負ったとしても瞬時に回復する。 その膂力と耐久力は人間には絶対に到達不可能な領域にある。 Aランク未満のダメージに対しては常時スーパーアーマー状態となる。 Aランク相当の頑健及び自己再生を内包する複合スキル。 超越感覚:A 凄まじき戦士の極めて鋭敏な五感は半径数キロ以上先のごく小さな音、小さな物体であろうとも正確に捕捉する。 ランクにしてB+相当の千里眼とA相当の気配感知及び見切りスキルを内包する複合スキル。 凄まじき戦士はこのスキルにより敵の技や攻撃に対し驚異的な反応と学習能力を発揮する。 またこのスキルの性質上「特定の条件を満たさなければ視認・認識ができない」タイプの能力を突破することができる。 マスターとサーヴァントを繋ぐレイラインも視認できるため「サーヴァント特有の存在感を消す・偽装する」タイプの能力も実質的に無効化する。 物質変換:EX モーフィングパワー。物質を一度原子分解し、再構成する能力。 凄まじき戦士は触媒を必要とせず無から専用武器を生み出すことができる域にある。 宝具ではなく、且つ格の低い武装であればサーヴァントの武装であってもこのスキルで干渉できる。 後述の超自然発火の源ともいえるスキル。 超自然発火:A- 物質の原子や分子を操りプラズマ化させ、範囲内の標的を体内から発火させる。厳密には対象の肉体を炎にする能力。 サーヴァントにも有効だが神秘の塊である英霊相手では完全な威力を発揮し難い。ダメージ数値は対象のステータス値ではなく神秘の深さ、霊格の高さによって算出される。 年代が古く、霊基の質が高いほど与えるダメージが減少し、場合によっては無効化される。少なくとも西暦以前の神代出身のサーヴァントは全く発火させることができない。 逆に近現代に近い、ないし霊格の低い英雄ほど大きなダメージを被り、最大限度に効果が発揮された場合は最高ランクの戦闘続行スキルによるカバーすら無効にする。 また神性など霊格の高さを保障するスキルや、超高ランクの頑健や信仰の加護といった肉体の絶対性を保障するスキルによってもダメージが削減される。 反対に自己改造や破壊工作といった自らの霊格を落とすスキルを持つ者に対してはより強力なダメージを与える。 マスター、及び生者のままサーヴァント化した者に対しては出自を問わず必ず最大値のダメージを与える。 相手を内部から発火させるという性質上単純な盾や鎧といった装具による護りを透過し、前述の超越感覚による見切りがあるため凄まじき戦士より圧倒的に速いという程度では到底この能力から逃れることはできない。 この能力が宝具ではなくスキルに留まっているのは、凄まじき戦士にとってはモーフィングパワーを活かした牽制レベルの通常攻撃の一環に過ぎないため。 【宝具】 『霊石の装具(アークル)』 ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 古代種族リントが敵対種族グロンギの暴虐に対抗すべく作りだされた、戦士の力。 願いを叶えるとされる神秘の霊石アマダムを内部に格納しており、身に付けたものをクウガへと変身させる。 グロンギに対抗できる力を与える善性の面の宝具であるが、同時にグロンギと同じ存在になる悪性の面も内封している宝具でもある。 バーサーカーとしてのクウガはクウガの資格者を触媒にして「凄まじき戦士」としての側面が呼び出された姿である。 狂化による恩恵も併せてステータスと霊基数値を超高ランクに押し上げ数々の専用スキルを得るが代償に英雄性を失い怪物の属性が付与される。 全身から封印エネルギーを放出しており、超自然発火を除く全ての攻撃手段に対魔性特攻効果が付与されている。 この宝具そのものが魔力炉としても機能し、マスターの負担を大幅に軽減した上でマスター不在でもある程度までの戦闘行動が可能となる。 クウガに超古代の神秘からなる絶大な力を与える源泉であるが、クウガという存在を成立させる基点であるがための急所をも意味する。 アークルが破壊された場合、クウガが消滅する第三の霊核でもある。 【weapon】 ライジングタイタンソード、ライジングドラゴンロッド、ライジングペガサスボウガン 凄まじき戦士の各種専用武器。 この他肩部のショルダークラッシャーや手足に生えた伸縮自在のエルボースパイクなど、全身が凶器そのものである。 【人物背景】 凄まじき戦士を呼び出すための触媒として利用されたクウガの資格者。 その正体は古代においてグロンギを封印した古代の戦士。 しかしいずれにせよ凄まじき戦士として召喚された時点で人間としての人格は塗り潰されているため、その人間性は聖杯戦争に何ら関与することはないだろう。 【サーヴァントとしての願い】 全ての敵を討ち滅ぼす。 【戦術・方針・運用法】 端的に言って徹底的に格下殺しに長けたサーヴァント。 アサシンの気配遮断を筆頭とした数多の搦め手を拒否して正面対決を強制する超越感覚と、三騎士すら磨り潰すほどの絶大なパワーとタフネスを有する。 超自然発火がフルに発揮される近現代の英雄に至ってはその強さに関わらず凄まじき戦士との勝負の土俵に上がることすら不可能。 武装面でもセイバー、ランサー、アーチャーの特性を全て網羅しているといっても過言ではなく、物質変換スキルによる応用も利くなど凶悪なまでの汎用性を誇る。 弱点はアークルの存在による弱点部位の多さと高威力の宝具への耐性のなさ。 運命干渉など超越感覚で対処できない能力で凄まじき戦士の対応をすり抜けて霊核、またはアークルを破壊する手段を使えば存外あっさり沈められる。 また耐久力そのものは非常に高いがさすがに神造兵装クラスの宝具の真名解放に耐えられるほどではない。 このため凄まじき戦士が回避不可能な状況を作り出し、強力な宝具を直撃させれば正面からでも十分に倒し得る。 また対魔力スキルを持たないので一応キャスタークラスによる魔術攻撃も(当てることができれば)有効となる。 基本的に攻撃目標の優先順位はサーヴァント>マスターだが、マスターが積極的に攻撃を仕掛けた場合はこの限りではない。 バーサーカーらしく神秘の秘匿や周辺への被害には無頓着なので制御できないとあっという間に討伐令を出される羽目になるだろう。 【マスター】 足立透@ペルソナ4(原作ゲーム版) 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れて自称特別捜査隊に復讐する 【能力・技能】 ペルソナ・マガツイザナギ 足立が操るペルソナ。主人公の初期ペルソナ「イザナギ」に酷似しているが、全身が赤黒く、全能力が桁外れに高い。光・闇属性無効。 ペルソナ使い共通の特徴として装備しているペルソナの能力値に応じて術者の身体能力と耐久力が上昇する。 本来ペルソナは一体につき八つまでしかスキルを保有できないが、足立は十数種類のスキルを使用可能。以下はその内訳である 空間殺法…広範囲への大ダメージ物理攻撃 木っ端微塵斬り…広範囲への中ダメージ物理攻撃。低確率で「恐慌」のバッドステータスを付与 チャージ…次回の物理攻撃の威力を大幅に上昇させる ジオダイン…電撃属性の大ダメージ攻撃 マハジオダイン…広範囲に電撃属性の大ダメージ攻撃 マハガルダイン…広範囲に疾風属性の大ダメージ攻撃 メギドラ…広範囲に万能属性の中ダメージ攻撃。対魔力を透過する 淀んだ空気…一定時間周囲のバッドステータス付着率が上昇 デビルスマイル…敵全体に中確率で「恐慌」のバッドステータスを付与する 亡者の嘆き…「恐慌」のバッドステータスにかかった敵全体を瀕死状態にする。サーヴァントには原則無効 ムドオン…敵一体に闇属性の攻撃を行い、抵抗判定に失敗した場合瀕死状態にする。サーヴァントには原則無効 デクンダ…味方全体のデバフ状態を解除。ただしサーヴァント相手の場合は魔術などの一時的なデバフしか解除できない デカジャ…敵全体のバフ状態を解除。ただしサーヴァント相手の場合は魔術などの一時的なバフしか解除できない。 ヒートライザ…任意の味方一体に一定時間与ダメージ上昇・被ダメージ減少・命中、回避率上昇の効果を付与する この他通常のペルソナ使いの数倍以上の耐久力を持ち、各種スキル使用に伴うHP、SPのコスト消費が発生しない。ゲーム的に言うと原作でのボス戦時の再現。 純粋な魔力保有量も高くバーサーカーを十分に維持・使役できるが魔術師として卓越した技量を持っているわけではないため行動を十分に制御できているとは言い難い。 【人物背景】 本庁より春から赴任し、稲羽署に勤務している若い刑事。遼太郎の部下兼相棒で、共に連続殺人事件を追っている。 元エリートであるが、捜査内容を主人公達に漏らしたり、高校生に気迫負けしたりするなど、口が軽く間の抜けたうだつのあがらない性格。 「署内一の頭脳派」と自負するなど、お調子者の面も伺える。 特捜隊のメンバーからは基本的に舐められており、陽介からは「ヘタレ刑事」、クマからは「ズッコケデカ」と呼ばれてしまっている。 実は一連の事件のうちの最初の2件の殺人事件の真犯人であり、主人公と同じく「テレビの中に入れる能力」の持ち主でもある。 エリートコースから脱落し、田舎に左遷されたことで鬱屈しており、犯行を通じて世の中の理不尽さに対する不満を憂さ晴らししていた。 本性はかなり切れ者で能力的にも優れているが、非常に利己的で傲慢かつ我が侭と、幼稚で身勝手な人物である。 警察になったのも公務員志望であったことと合法的に銃を所持できるという興味からで、純粋な正義感によるものではない。 最初の犠牲者2人をテレビの中に落として結果的に死に至らしめ、その後も生田目を誘拐するように唆した。 主人公に協力するふりを装いつつも内心では主人公らと生田目のいたちごっこを嘲笑っていた。 さらには事件の解決を拒み、模倣犯として自首してきた久保をテレビに落とした。 真相発覚後、追手を逃れるため、初めてテレビの世界へ入ったことでペルソナ能力に目覚めた。 テレビの中の世界と同調しており、生成された領域「禍津稲羽市」を操ることができる。 その性格のため大抵の他者を見下しているが、堂島親子のことは本心で気遣っており、菜々子が誘拐されるという想定外の事態が起きた際は主人公たちの手助けを行い、逮捕された後も堂島たちのことは気に掛けていた。 また、主人公へは見下しや嫉妬を抱きつつも本当に心が通じていた点もあり、敗北後は主人公からの投降に応じた。 テレビの世界で特捜隊と戦闘している最中、特捜隊の連携に追い詰められた際に偶然手にした白紙のカードによって聖杯戦争に招かれた。 【方針】 バーサーカーに丸投げ。しかし袋叩きだけは二度とごめんだ。
https://w.atwiki.jp/tokyograil/pages/69.html
黒崎一護 バーサーカー ◆3SNKkWKBjc 彼が来た時には、すでに少年の姿は消えてしまっていた。 人の目どころか幽霊が見える彼の目にも見えない。 果たして、少年はどうなってしまったのだろう。 誰も知らない。 幽霊が見えるだけの高校生の手には、少年に渡すはずだった飛行機のおもちゃだけ残される。 ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ 黒崎一護。 幽霊が見える高校生。 兼、聖杯戦争に参戦したマスター。 全くもって妙な異名が一つ増えたところで、一護が頭をかかえるのは―― 「カエレ!」 「帰る家もねぇよ! 今は!!」 彼のサーヴァント・バーサーカーの存在であった。 狂戦士の文字通り、意思の疎通を図るのは困難だと一護も分かってはいるものの。 一護が一番に動揺したのは、バーサーカーは『少女』だという点なのだ。 彼にも小学生の妹が二人いるが、彼女らよりも幼い。 死人のように血の気のない肌と白髪と白の衣装を纏った姿。 この『少女』が本当に英霊だというのか? 一護には俄かに信じがたい話だった。 「クルナ……!」 「もう俺は隣にいるし、言うのが遅すぎるだろ!」 しかも話す言葉はこんなものばかり。毛嫌いされているのだろうか。 やれやれと溜息をつく一護は、手元に残っていた飛行機のおもちゃに気づく。 「コレも渡せなかったしな……」 「……オイテケ」 「ん?」 「オイテケ……オイテケ……」 「なんだよ、欲しいのか? ホラよ」 バーサーカーはすでに抱え込んでいる飛行機(?)らしきものを脇にかかえ 一護から貰ったおもちゃで遊び始めた。 思わず「変わってんなぁ」と一護は呟く。 サッカーをする男勝りな妹の例があるし、珍しい事ではないのだろうが それでも女の子が飛行機好きなのは世間体では変わった部類に違いない。 「……なぁ、名前くらい教えてくれたっていいだろ?」 バーサーカーは水底に響く呻き声のような言葉を発するが、肝心な真名を一護には伝えていない。 否、バーサーカーだからこそ伝える事が困難であるはず。 かと言って、一護は『少女』の正体に心当たりもなかった。 「願い事は……あるのか?」 バーサーカーはピタリと遊ぶのを止め、呟く。 「イツカ……イツカ、タノシイウミデ……」 「うみ? 海のことか?」 それ以上の事は続かなかった。 やはり一護には理解できない。 ただ、一つ。 彼女はそこへ至ることを望んでいる。聖杯に願うは『海』へ至る事。 一方の一護は漠然としていた。 紅い月を見上げ、何かを望んだはず。 一瞬のことで彼の記憶も曖昧で――少年のことか、昔死んだ母親のことか、もっと他の事か。 願う事がありすぎて、よく分からないままで済ませようとしていた。 しかし、彼女には確固たる願いがある。 自分とは――違う。 「よし、わかった。海に連れて行ってやる」 少女の願いだけは叶えてやりたい。一護は決心した。 「それまで俺がお前を護るから」 別に聖杯に願わずとも、少女が望む海へ連れてゆく手段はある。 そう信じて。 「俺は黒崎一護だ。よろしくな、バーサーカー」 かくしてマスター・黒崎一護の聖杯戦争が 「チョウシニ……ノルナ!」 「うお!? まともに喋った!? ってか、さっきから毒舌酷くねぇか!?」 始まるのかもしれない? 【クラス】バーサーカー 【真名】北方棲姫@艦隊これくしょん(『アリューシャン・ダッチハーバー』) 【属性】混沌・狂 【ステータス】 筋力 E 耐久 B 敏捷 C 魔力 A 幸運 C 宝具 E 【クラス別スキル】 狂化:D- 耐久が上昇するが、言語機能がある程度制限される。 複雑な思考を長時間続けることが困難になる。 【保有スキル】 使い魔(戦闘機):A 不気味な使い魔を作り出すスキル。 生きているが元は戦闘機であり、宙を浮き、爆撃など戦闘機らしい攻撃手段を取る。 開幕爆撃:C 戦闘開始時に使い魔たちによる先制攻撃が可能。 このスキルのランク以上の俊敏を持つサーヴァントには効果が得られない。 索敵:A 敵を発見するスキル。 このランクならば索敵用の使い魔でレンジ1~30の範囲を把握可能。 同ランクの気配遮断を無効化できる。 【宝具】 『ダッチハーバーの失態』 ランク E 種別 対人 レンジ - 最大補足 - バーサーカーとの戦闘で戦線離脱したサーヴァントの宝具の詳細を自動的に入手できる。 無論、情報はバーサーカーではなくバーサーカーのマスターへ与えられる。 バーサーカーのマスターは入手した情報をいつでも確認する事が可能。 宝具を複数所持する場合は、ランダムに選択される。 再度対峙し、情報入手する場合は別の宝具の情報が入手できる。 『零式艦上戦闘機「アクタン・ゼロ」』 ランク E 種別 自身 レンジ - 最大補足 - バーサーカーが大切に(?)抱きかかえている戦闘機。 神性・魔術に精通する英霊にはバーサーカーの正体を看破する事は不可能となる。 この宝具はバーサーカーの象徴故、手離すことはできない。破壊することもできない。 【weapon】 5inch単装高射砲 中距離からの射撃が可能。 飛行機のおもちゃ マスターから貰ったもの。とくに意味はない。 【真名について】 ある世界において『北方棲姫』と呼ばれ、人類を脅かす脅威と称されているが それはバーサーカーの真名ではなく、バーサーカーの正体でもない。 彼女はある時代で起きた戦争の情景そのもの。。 彼女に真の名をつけるとすれば、かつての戦争に敬意を表して、こう名付けるべきだろう。 『アリューシャン・ダッチハーバー』――と。 【サーヴァントとしての願い】 イツカ……タノシイウミデ…… 【基本戦術】 マスターが膨大な魔力を持っているので存分にバーサーカーの性能を引き出せるだろう。 使い魔の作成は意外にも低燃費。余裕があればストックを作成しても問題ない。 相手を逃しても、宝具の情報が入手できる。 【マスター】黒崎一護@BLEACH 【性別】男性 【マスターとしての願い】 バーサーカーの願いを叶えてやりたい。 【weapon】 霊感が強い。 生まれついて霊力が膨大にあり、聖杯戦争においては魔力として変換される。 【人物背景】 幽霊が見える高校生。まだ、死神代行になる前の彼である。
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/6138.html
autolink() FZ/S17-062 カード名:呪詛の具現 バーサーカー カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:1 コスト:1 トリガー:0 パワー:6500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》?・《武器》? 【自】アンコール[あなたの山札の上から1枚をクロック置場に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) 我は― 疎まれし者― 嘲られし者― 蔑まれし者― レアリティ:R illust. 12/08/29 今日のカード。 Fate版の執務官 クロノ。その性能の高さは言うまでもない。 Fateには反英雄アヴェンジャーという優秀なアンコール付与がいる為にクロノほど重視はされないかもしれないが、 効果圏外である《サーヴァント》?構築なら採用する価値は十分にある。 同日公開の命の代償 雁夜と組み合わせれば、ややストック消費がきついが相手のレベル1を確実に仕留めることができ、 且つクロックアンコールで手札やストックを使わず復帰できるので相性が良い。しかもチェンジによって早出しも可能。 色も赤であり、《武器》?を有するので黒サイドやスタンでも扱いやすい良カード。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 血に飢えた獣 バーサーカー 0/0 1000/1/0 赤 チェンジ元
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/12092.html
《タイム・バーサーカー》 効果モンスター 星6/風属性/獣戦士族/攻2400/守 0 このカードは生け贄無しで召喚する事ができる。 このカードを生け贄無しで召喚した場合、 このカードは以下の効果を得る。 「自分のドローフェイズをスキップする」 このカードを生け贄召喚した場合、 このカードは以下の効果を得る。 「自分と相手のドローフェイズをスキップする」 エンドフェイズ時にライフを半分支払う事で、 このカードをゲームから除外する事ができる。 この効果は相手も使用する事ができる。 part21-102 コメント 名前 コメント